【書評No.8】「無印良品は、仕組みが9割。仕事はシンプルにやりなさい。」
今回の本は「無印良品は、仕組みが9割り仕事はシンプルにやりなさい。」!!
無印良品の経営の根幹である仕組み作りについて、その重要性と背景が詳細に書いてある本です。
業務改善でマニュアル作成に関する本等はよくありますが、ここまで経営の根幹として組み込んで、その背景を詳細に書いている本は今までみたことがありません。
・業務引き継ぎにあたりマニュアル作成の必要性が出てきた方
・チームの中で知識を共有する仕組みを知りたい方
・チームを一つの方向に導きたいリーダーの方
に非常におすすめです。
【書評】の記事では、僕が7回以上読むと決めた、とっておきのおすすめ本を紹介します!
僕がこの本の中で気になった3つの文と、それを受けて考えたことを持って、この本の紹介とさせていただきます。
1.どんな作業にも「うまくいく法則」があります。それを見つけ、標準化するのです。
かつての無印良品では経験と勘を重視しすぎる体質を受け継いだため、社員が上司や先輩の背中だけを見て育つ、「経験至上主義」がはびこっていました。
仕事のスキルやノウハウを蓄積する仕組みがなかったので、担当者がいなくなったら、また一からスキルを構築し直さなければいけませんでした。
そこで社長が考えた解決策が、本書のテーマである「仕組み」の構築。
仕組みをつくり、共有して、実践・改善していく。
すると、ムダな作業は減り、仕事に迷いがなくなります。
①無印良品の店舗で使っているマニュアル──MUJIGRAM。
②店舗開発部や企画室など、本部の業務をマニュアル化した──業務基準書。
この2つの「マニュアル」には、経営から商品開発、売り場のディスプレイや接客まで、すべての仕事のノウハウが書かれています。
マニュアル化することで仕事に面白味がなくなるのではないか?
それは逆です。マニュアルは、仕事に潤いさえ与えてくれます。
現場では毎日のように問題点や改善点が発見し、マニュアルは毎月、更新していくことで仕事に面白味が増します。
仕事の進め方がどんどんブラッシュアップされるし、自然と、改善点がないかを探しながら働けるようにもなります。
2.マニュアルは組織の理念を繰り返し伝えるためのツール
マニュアルとは組織の体質を根本的に変えるために必要なツールです。
それぞれの業務を何のためにするのかという「目的」を確認することで、理念に基づいた仕事の意味を再認識することになります。
また、マニュアル作成にあたり作業一つ一つの意味を考え直さなければならないので、仕事の仕方や姿勢を深く掘り下げるきっかけにもなります。
そして、マニュアルに完成はありません。
重要な更新は随時行う必要がありますが、最低でも月に一度は見直しをする必要があるのです。
定期的に更新することで、組織の理念、各仕事の目的を考える機会が多く生まれます。
3.必要なのは、地道な仕事の習慣を根付かせること
戦略一流の企業と、実行力一流の企業。
この二つの企業が闘ったとき、勝つのは間違いなく後者です。
当時のスローガンは「実行95パーセント、計画5パーセント」
走りながら考えないと間に合わない。
実行力のある現場にするためには、仕事を標準化すること。
誰もが実行できる素地を整えなければ、その先の発展もないわけです。
議論を重ね、保養地での会議を何度も開くが、行動は起こさない。
これが実行力のある企業とない企業の違いの一つです。
晴れてその企画が通っても、膨大な企画書をつくり上げるだけで疲れてしまい、実行する気力がわいてこないのです。
しかも、現場を無視した机上のプランなので、現場に提案しても「これは無理ですよ」と一蹴される始末です。
現場主体でマニュアル化を進め、日々改善する。
リーダーは現場スタッフのモチベーションの向上と、スタッフ・部門間でのコミュニケーションが起こりやすいような環境をセットすることで、より実行力のある組織が形成されます。
最後に
この本を読んでから、繰り返しやる業務について、マニュアル化を徹底するようになり、他者に仕事を依頼する際に非常に楽になりました。
加えて、マニュアルの中で目的や目標を示すことで、人に任せる際もモチベーションを高く維持してもらうことにも成功しています。
単なるマニュアルについての本ではなく、経営理念を実現させるための仕組みについて詳細に書かれた素晴らしい本なので、ぜひ繰り返し読んでみてください。