【書評No.11】モモ
今回の本は「モモ」!!
資本主義は本当に正しいのか、読みやすい物語の中に深いメッセージが隠されている本です。
普段働く社会人のみなさんであれば、仕事にこなすあまり、自分は何のためにここにいるのか?ふと考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
この本を読むとそう感じる理由が、腑に落ち、より大きな視野を持った上で日常を過ごせるようになります!
・毎日続く仕事をする意味がわからなくなってきた方
・初めは情熱を感じていたはずの仕事に最近熱が入らない方
・とりあえず気軽に物語を読んでみたい方
に非常におすすめです。
【書評】の記事では、僕が7回以上読むと決めた、とっておきのおすすめ本を紹介します!
僕がこの本の中で気になった3つの文と、それを受けて考えたことを持って、この本の紹介とさせていただきます。
1.小さなモモにできたこと、それは相手の話を聞くこと
話を聞くなんて誰でもできると思うかもしれません。
しかし、本当の意味で聞く(傾聴)できる人はどれほどいるでしょうか>
普通の人間であれば、相手の話を早く引き出そうと質問したり、ひどい場合は別のことを頭に置きながら聞いているという状態になりがちではないでしょうか?
モモは、ただただ注意深く聞いてるだけです。
しかし、不思議なことに、話し手は自分が話しているうちに、自分なりの答えを見つけて帰っていくというのです。
聞き手として自分の意見を押し付けたり、質問を投げかけるのではなく、あくまで自由に話してもらう。このように時間を気にせず相手に時間を使える人間が、いったいどれほどいるでしょうか?
2.時間節約こそ幸福の道?
この物語の主人公モモの敵は、時間泥棒の灰色の男たち。
人間からゆとりを奪い、時間を節約しながらあくせく働くせわしない人間に変えてしまう能力を持っています。
僕自身は働くことが好きなので、それ以外の時間はできるだけ節約しよう、と思いながら効率的に日々を過ごしていきます。
しかし、灰色の男たちに時間を奪われた人間の描写読んでいると、お金を得て幸福に暮らすことを目的としている人間が、ただただ時間のないつまらない人生を送っており、仕事とは何のためにあるのかを考えさせられるのです。
本来人間は充実した生活をするために仕事をしていたはず。
しかしせわしなく働く中で本来の目的を見失い、仕事主体の生活になってしまう。
仕事をしすぎた結果、本来充実させたかった生活の時間が奪われてしまう。
時間を節約して効率的に生きることが、果たして本当に幸せなことなのか?
こんな疑問を感じさせてくれる描写が多く書かれています。
3.こうして人たちは、楽しいと思うこと、夢中になること、夢見ることを忘れていきました
時間がなくなり生活の時間がなくなると何がなくなるか?
それは好きなことに想いをめぐらせ、楽しいと思うことに夢中になる時間。
たった一度の人生。
どうせなら楽しいことをして暮らしていきたいのではないでしょうか。
しかし、現実はとりあえずお金のために仕事につき、時間がなくし、楽しい生活を徐々に失っていく。
この本はそんな資本主義に対するアンチテーゼで、働く従業員に対して本心を思い出すように訴えているのだと思います。
最後に
忙しく働く中で、必ず定期的に自分がワクワクする目標を見返す時間を取るようにしています。
楽しい人生を送ることが目的であり、あくまで仕事はその手段にすぎない。
最悪仕事がなくても楽しく生きる方法をあるのかもしれない。
いつのまにか資本主義にどっぷりつかっていた自分を見直せる素晴らしい本なので、ぜひ繰り返し読んでみてください。
- 作者: ミヒャエル・エンデ,大島かおり
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/06/16
- メディア: 新書
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